Using Computers: A Direction for Design (from Understanding Computers and Cognition)
The New Media Reader(目次 37)],pp.551-561 初出
Understanding Computers and Cognition: A New Foundation for Design. Norwood, N.J.: Ablex Publishing, 1986, 163-179.
テリー・ウィノグラードとフェルナンド・フローレス「コンピューターの使用――デザインの方向性」
Introduction
この本は人工知能に対して、鋭い批判として説明される。ウィノグラードは分析計算モデルに硬直化したことをあきらかにした。また、コンピュータは永遠に人間のような知能を得ることはできない。
しかし、ウィノグラードさんとフローレスさんは、ニューメディアか交流環境でコンピュータの使用を諦めるべきではない。彼らは、コンピュータをツールに設計することに注意を向けて欲しい。
関連のある人物、記事
人工知能の概念に対して重要な関係がある方と評した。
Further Reading
Winograd, Terry, ed., with John Bennett, Laura De Young, and Bradley Hartfield. Bringing Design to Software. Reading, Mass.: Addison-Wesley, 1996.
Winograd, Terry. ''From Computing Machinery to Interaction Design.'' Beyound Calculation: The Next Fitfy Years of Computing. Berlin: Springer-Verlag, 1997, 149-162.
Sengers, Phoebe. "Practices for Machine Culture: A Case Study of Integrating Artificial Intelligence and Culture Theory." Surfaces 8. 1999.
本文概要
人間とコンピュータとの交流がよくなるために、コンピュータが人間と同じように物事を理解でき、人間を模倣するのは一番良い方法ではない。重要なことは、行動が生成され、作用するドメイン(domains)の設計である。悪い設計に、ユーザーは間違ったドメインにぞくして複雑な問題に対処する。良い設計には、使用者の困難を理解した上でユーザーのドメインを考える。 ドメインを設計する時、故障と盲点は避けるものではない。設計の目標を達成するために、故障は大事な関係を明らかにできるものだ。故障の中には設計の目標とドメインが含まれている。それは故障が起こるときに、分析し直す環境を提供することである。そして、盲点は可能性が存在するところだ。背景や幅広い考えの重要性を認識した場合、偶然に見つけるのも非常に重要だと考える。具体的なビジネスの例を使って、以上の理論がどのようにコンピューターシステムの環境を設計するかについて説明した。
筆者はコンピュータに対して、重要な概念として、3つのキーワードを挙げた
①臨在性(Readiness-to-hand)
臨在性とは使用する道具そのものを意識することなく、その道具の操作を無意識的に行うことができる人間の能力のこと。(例:自動車を運転する際、人はハンドルの操作やブレーキアクセルの切り替えを無意識に行うことができる))
②ブレイクダウンの予期(Anticipation of breakdown)
ブレイクダウンはコンピュータにつきもので避けることはできないものである。従って、ブレイクダウンを起こさないような工夫をするよりも事前にブレイクダウンが起きそうな状況を想定して、実際にブレイクダウンが起きた際に適切な処置ができるよう準備しておくことの方が合理的な選択である。
③デザインによる盲目性(The Blindness Created by Design)
技術の進歩により、新しいシステムの構築により、より豊かになるものが増える反面、従来のシステムのあり方を失ってしまうことは避けられない。(例:書籍の電子化により、我々の読書に対する形態が変わり、より良くなったと考えられる反面、その書籍の電子化では、実際の書店のような陳列やそれらの立ち読みをするという文化が失われてしまう)
コンピュータ科学の発展は、システムドメインに新しい次元を増加した。多くの分野では、このような操作は一般的ものだ。金融エンティティと取引を表す数字が一番良い例だ。コンピュータの出現によって、人々は以前のわずらわしさと高価な仕事を早く完成することができる。例えば、VisiCalc。VisiCalcから表計算ソフトにより、事務等で行なわれる集計計算作業が大幅に省力化され、計算ミスも回避されるようになった。 本書では、コンピュータベースのツールの設計において、存在論として設計されたより大きな視点の一部として、新しい設備が作られた時に何が起こるか、そして革新の可能性がどのように生まれるかに注目している。 新しいシステムドメインを創造することは、以前は存在しなかった新しい存在方式と、以前は意味のない行動の枠組みを創造することができる深い意味を持つことだ。 これらのコンピュータシステムを使用して、より良い説明領域を生成る。機械は「指導」を伝えることができる。このような「指導」の中で、新しい解釈と行動の可能性が現れた。 道具は行動の基礎であり、私達の行動を通じて、この世界を創造した。私たちが注目している変化は技術的なものではなく、周りの環境や私たちが自分たちの生物として進化し続ける方法をどう理解するか。